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アネゴ的カノジョ
第3章 夜道と水難
 
 男勝りとも言われている杏子。

 しかし、そんな杏子も年頃の女の娘。

 当然、周囲の女子たちと同様に、性に関しても多感だった。

 そして、思春期真っ盛りの武彦。

 そんな二人が初めて体を重ねれば、初めて覚えた感覚に陥るのは容易かった。

 みんなの前ではいつもの様に振る舞う杏子。

 しかし、一度【ヒトタビ】武彦と唇を重ねれば、いつもの面影を無くしていた。

 欲の強かった武彦の強引さが、人気が無ければ直ぐに杏子の唇を奪う。

 最初は場所柄を考えて抵抗を見せる杏子も、舌が絡み合う内に覚えたての感覚に飲まれて、その身を委ねていた。

 オナニーを覚えた猿が四六時中オナニーをし続けるという話。

 それに似たような二人は、幾度と体を重ねたのだった。

「…も…もう…止めろって………」

 赤裸々な過去を知っている武彦の前では、やはりいつもの調子は出ない杏子。

 弱々しく言葉を吐き出す姿は稀少。

「あとはぁ………」

 そんな杏子の弱々しい姿に、武彦が更に追い打ちを掛けようと口を開いた瞬間。

 『ピシャッ』とけたたましい音と同時に鋭い光が走り、更にはザーッと一気に雨が降り出した。
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