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アネゴ的カノジョ
第6章 酒と温泉と…
 
 呼ばれた声に振り返れば、笑顔を見せた助役の娘が立っていた。

「ん? どうかした?」

「此処、露天風呂もあるんだよ?
 みんな酒盛りしてるし、私たちはお風呂行かない?」

 今までに数回、慰安旅行に着いてきている助役の娘。

 杏子よりも勝手を知っているその言葉に、杏子はチラッと職人たちを見遣る。

「わははっ。今日は徹夜だからなぁっ」

「寝かさないっスよっ」

「最初に潰れたヤツは……俺が……ヌフフ………」

「町会長、ペース早いですよっ」

「そういう君だって、もう………」

「お前より俺の方が………」

「いやいや…俺だって負けてねぇからっ」

「オイラだって負けないっスよっ」

 早くも収拾がつかなくなっていた。

「はぁ………」

 ガクッと額に手を当てて項垂れる杏子。

「は、はは………」

「……行こうか………」

 乾いた笑みを溢す助役の娘に声を掛ける杏子。

 和室の収納から浴衣を取り出すと、二人並んで温泉へと向かうのだった。
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