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アネゴ的カノジョ
第6章 酒と温泉と…
「思ったより長風呂になっちまったなぁ……」
「でも、景色は良かったですよねぇ」
浴衣に着替えた二人は、仄かに桜色に染まった顔で並んで廊下を進む。
夕暮れの景色に目を奪われ、気付けば廊下の窓の外は暗闇に覆われていた。
「いつもなら気にしないんだけどなぁ。場所が変わったせいか、つい見惚れちまったな」
「自然が豊かで、私此処好きですよぉ」
浴衣を開けさせながらピョンピョンと跳ねる葵に、杏子は微笑ましく笑みを浮かべる。
「しっかし…この浴衣………」
ピョンピョンと跳ねる葵の姿に、自らの体を見下ろした杏子。
目に映る光景に、思わず苦笑する。
「なんでぇ? 杏子さんも可愛いですよぉ?」
ニコッと笑顔を向ける葵。
丈が若干短い向日葵柄の浴衣は、元気な葵に似合っていた。
「は、はは………」
葵に対して乾いた笑みを溢す杏子だった。