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好きと言って
第3章 世なりとも
就活がどんなに大事か分かっているつもり。
でもさみしいよ。
この大事な時期に寂しいって思う私はやっぱり子供ですか?

先輩の大事な時期に笑って応援できない私は子供ですか?

「梨乃」

そっと、包むように、遠慮がちにレン先輩が抱きしめてくれた。
「お前の気持ちはよく分かるから」
優しく右手で背中をトントンされ
私はようやく落ち着いて来る。

こんなことで泣いちゃだめ。
ハルト先輩は浮気をしているわけではないし。
毎日ちゃんとメールをくれる。
それでいいじゃない。
今はそれでいいじゃない。

この時の私は自分自身を納得させるだけで精一杯で
レン先輩の気持ちには気づく余裕なんてなかった。




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