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好きと言って
第3章 世なりとも
「うつつには逢ふよしもなし夢にだに間なく見え君恋ひに死ぬべし」
「え?」
突然ゆっくりとした口調でレン先輩が何かを言った。
「現実にはお会いできないので、せめて夢の中だけはいつもお会いしたい。
ってな意味だ。今の梨乃の心境」
「・・・・レン先輩が作ったんですか?」
「いや。万葉集」
「はぁ?万葉集?そんなもんがポンポン出てくるンですか?」
意外すぎてすっかり涙も引っ込んでしまった。
「・・・・俺、国文科なの知ってる?」
「今の今まで知りませんでした」
「・・・・あっそ」
「でも、素敵な歌ですね。レン先輩が言うと魅力半減ですけど」
「お前なぁ」
「でも、ありがとうございます。
うん。ちゃんと信じて待っています。夢の中なら会える気がします」
「よしよし。元気出せ。映画でも行くか」
「はい。ポップコーンはキャラメル味で。コーラはLでお願いします」
「・・・・途中でトイレに行きたくなってもしらねーぞ」
うつつには逢ふよしもなし夢にだに間なく見え君恋ひに死ぬべし
私はこの歌を忘れないように忘れないように
何回か口の中でとなえた。
夢の中だけでも会いたいよ。
ハルト先輩。
「え?」
突然ゆっくりとした口調でレン先輩が何かを言った。
「現実にはお会いできないので、せめて夢の中だけはいつもお会いしたい。
ってな意味だ。今の梨乃の心境」
「・・・・レン先輩が作ったんですか?」
「いや。万葉集」
「はぁ?万葉集?そんなもんがポンポン出てくるンですか?」
意外すぎてすっかり涙も引っ込んでしまった。
「・・・・俺、国文科なの知ってる?」
「今の今まで知りませんでした」
「・・・・あっそ」
「でも、素敵な歌ですね。レン先輩が言うと魅力半減ですけど」
「お前なぁ」
「でも、ありがとうございます。
うん。ちゃんと信じて待っています。夢の中なら会える気がします」
「よしよし。元気出せ。映画でも行くか」
「はい。ポップコーンはキャラメル味で。コーラはLでお願いします」
「・・・・途中でトイレに行きたくなってもしらねーぞ」
うつつには逢ふよしもなし夢にだに間なく見え君恋ひに死ぬべし
私はこの歌を忘れないように忘れないように
何回か口の中でとなえた。
夢の中だけでも会いたいよ。
ハルト先輩。