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銀の木洩れ日亭へようこそ
第4章 お客さま
不穏な様子に再び腰をあげようとしたジークだったが、ルチアはこともなげにするりと男の懐を抜けた。
「悪いな、残念だがそっちのサービスはやってない。シチューで良ければすぐ持って来るよ」
まともな客の初来訪が余程嬉しかったのか、男の無礼を気にした風でもなくいそいそと隣の部屋へ向かう。
扉がパタンと閉まり彼女が姿を消すと、男たちはやっとジークの存在に気付いたようだった。
食事が来るまでの暇つぶしと思ったか、荷物は下ろすが剣は腰に下げたまま壮年の男がジークの隣の席にどかりと座る。
追って小柄な男もその隣に音もなく腰かけた。
「よう兄ちゃん。アンタも泊まりか。どっからだ?」
男は、ジークが臥せっている間ルチアが綺麗に繕ってくれていた彼の旅装束を無遠慮に見つめながら声をかけてきた。
「…いろんな所を旅してる」
厄介事を避けたくて目を逸らしてあやふやに答えた。
シュトラールの騎士に自国の名を出して、そうですか、で済む保障もない。真面目に答える義理もない。
「悪いな、残念だがそっちのサービスはやってない。シチューで良ければすぐ持って来るよ」
まともな客の初来訪が余程嬉しかったのか、男の無礼を気にした風でもなくいそいそと隣の部屋へ向かう。
扉がパタンと閉まり彼女が姿を消すと、男たちはやっとジークの存在に気付いたようだった。
食事が来るまでの暇つぶしと思ったか、荷物は下ろすが剣は腰に下げたまま壮年の男がジークの隣の席にどかりと座る。
追って小柄な男もその隣に音もなく腰かけた。
「よう兄ちゃん。アンタも泊まりか。どっからだ?」
男は、ジークが臥せっている間ルチアが綺麗に繕ってくれていた彼の旅装束を無遠慮に見つめながら声をかけてきた。
「…いろんな所を旅してる」
厄介事を避けたくて目を逸らしてあやふやに答えた。
シュトラールの騎士に自国の名を出して、そうですか、で済む保障もない。真面目に答える義理もない。