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籠の中の少女
第1章 佐伯と小夜香
 ――この感覚が好き……。
 小夜香は思った。
 ――口の中を蹂躙されているような、この感覚が好き……。
 ――動いてるのはご主人様じゃなく小夜香なのに。
 小夜香の口の中でときおりペニスが跳ねる。
 ――ご主人様が……小夜香の口で感じて頂けているんだ……。
 いきなり、佐伯は小夜香の艶のある黒髪を上から力強くわしづかみした。
 小夜香は引っ張られる力を毛根で感じると、髪の毛と子宮がまるで直結してるかのようにビクッ、ビクッ、と全身を痙攣させた。
 口の中でペニスが張りを増してきた。
 ――あ……頂けるんですね……?
 ――ご主人様、小夜香に思う存分飲ませてください……
 小夜香は佐伯のペニスを根本までくわえ込む。そして口全体でそれを包んだ。佐伯の脈のひとつひとつまではっきりと感じ取れる。人間は指先が一番触覚が鋭いらしいが、本当は口の中が一番じゃないかと思えるほど小夜香の口は鋭敏になっていた。
 時間にしてほんの一瞬だが、熱くたぎる精液がペニスの根元から内部を湧き上がって先端に昇ってくるのを、小夜香は明確に感じ取っていた。
 小夜香の口内に、勢いよく精液が射出される。
 喉の奥を激しく打ち付け、粘度の高さは喉に絡みつくには十分で、濃度の高さはオスのほとばしりの香りが鼻の奥へと抜けていくには十二分だった。
 小夜香は、精液が栗の花の匂いに似てるとは聞いたことはあるけれど、栗の花の匂いなど知らないし、栗の花自体見たことがなかった。
 ――小夜香にとってこれはご主人様の匂い。
 ――それ以外の何物でもない。
 ――ああ……ご主人様のお精子……
 小夜香は口内にドクドクと溜まっていく精液を、喉を鳴らしながら無心に飲み干していった。
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