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籠の中の少女
第1章 佐伯と小夜香
(6)
佐伯はソファの上で眠っていた。小夜香に思う存分精子を飲ませた後、「疲れたから少し休む」と言ってソファに横になり、やがて寝息を立て始めたのだった。
小夜香は、佐伯に奉仕をしていた時と同じように後ろ手に縛られ二穴に淫具を差し込まれたまま正座していた。奉仕中と違ったことと言えば、ボールギャグを追加で噛まされたくらいだった。
時々、小夜香は淫具によって正座のまま何度か絶頂を迎えながら、佐伯の寝顔をずっと見ていた。
――お仕事、ご多忙なのに……
――小夜香のために時間作って……
――調教して頂けて……嬉しいです。
――あ……。
その時。
再び絶頂を迎えようとしていた小夜香の耳に、物音が飛び込んできた。
さほど大きな音ではない。
調教を受けている最中なら、あるいは普通に佐伯と会話している時なら、気づかないくらいの大きさだった。小夜香には、それが何かしら近くで扉を開閉するような音に聞こえた。
小夜香の頭に、先日のことがよぎる。
一番奥の部屋の小窓から見えた女の人。
まさか――。
耳をすませる。
あまりに静寂過ぎて、何か聞こえているような、何も聞こえていないような、どちらともつかない感覚に陥ってしまう。
小夜香は佐伯を見た。
完全に眠っている。
小夜香は玄関扉と佐伯とを交互に見た。
そしてほんの少しの間考えを巡らせた。
――ご主人様……決して小夜香は裏切るつもりではありません。
――どのみち、この姿では扉を開けることさえできませんから……。
縛られているのは腕だけで足は自由だった。
とはいえ、長時間の淫具責めと正座とで足はしびれて力がなかなか入らない。
小夜香は足に何とか力を入れ、なるべく音を立てず、静かに立ち上がった。
その時、しびれによって一瞬足から力が抜け、バランスを崩し転びそうになった。
しかし小夜香は何とかそれに耐えて踏ん張った。
ちら、と佐伯を見る。
佐伯はまだ静かに眠っていた。
全身から汗が噴き出る。
――本当に、本当にご主人様を裏切ることなんて、有り得ませんから……。
小夜香は玄関までそっと歩き、ゆっくり玄関扉に体をもたれかけさせると、扉についている覗き窓から外の廊下を見た。
小夜香は、目を見開いた。
――えっ……!?