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籠の中の少女
第2章 少女と小夜香
 やがて小夜香の話が一段落して途切れた。
 小夜香は、話すだけ話すとなぜかすっきりした心持ちになった。
 佐伯も、話の腰を折ることなく黙っていた。
 小夜香は、彼が真剣に聞いてくれてるんだ、と思った。
 ようやく佐伯が口を開いた。
 「……だから?」
 ――えっ?
 小夜香は一瞬戸惑いの表情を見せた。佐伯は表情ひとつ変えず続ける。
 「私は、仕事を除けば、死んだ人間の過去について全く興味がない」
 佐伯は『死んだ』という部分にことさら力を込めて言った。
 そして小夜香の側に詰め寄ると、いきなり彼女のバスローブをはぎ取った。
 小夜香は――
 一切身体を動かさなかった。
 抵抗するとか、救いを求める叫び声を上げるとか、その気力体力がないのではなく、一切頭に浮かびさえもしなかった。
 佐伯はバスローブの前だけを開いたまま、小夜香を荒々しくうつ伏せに押し倒すと、鞭の痕の残る赤い尻をあげさせた。
 小夜香は、脚を開かされながら、自分の膣に熱く固いペニスが一気に奥の子宮口に突き刺さるのを感じた。
 その瞬間、小夜香はあっさり絶頂した。
 子宮から脳髄に駆け上ってくる甘く強烈な電流に、小夜香は目を見開いた。
 さっきまで拘束されたまま人工物によって与えられ続けていた感覚とは絶対的に違う、粘膜から直に侵食してくる雄の生命力――。
 ――あたし……
 ――ああ……生きてる気がする……

    ※  ※  ※

 大教室の席で頬づえをついていた小夜香は、目を開けてゆっくり立ち上がった。
 机には友人が持ってきた就活関係の資料が散らばっている。
 「……まいちゃんには分からないでしょ? この感じ」小夜香は微笑んでそう言った。
 「どんな感じよ?」友人が問い返す。
 かすかに、秘唇から流れ出てきた液によってショーツが湿っているのを感じた。
 小夜香は、呆然としている友人を置いて教室を出て行った。
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