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籠の中の少女
第2章 少女と小夜香
(4)
小夜香はタクシーに乗っていた。
何度も佐伯の車で連れられているうちに、アパートへの行き方は覚えてしまっていた。連れられるのは決まって夜なので見慣れた景色と違うが、もともと記憶力の良い小夜香は目印となる主な建物や看板などがきちんと頭に入っており、道に迷うことはなかった。
佐伯は、今日は出廷のために九州の方へ行っている。絶対にはち合わせることはない。
やはり、あの時見た少女のことはどうしても頭から離れないのだ。
彼女があそこに住んでいることを確かめられたら、佐伯が知らなかったことを発見するという『お手柄』を立てられるかも知れない。
しかし――佐伯は少女のことを知っている上で小夜香に隠しておきたいのだとしたら?
その時はお仕置きどころか、間違いなく小夜香は佐伯に捨てられるだろう。
――ご主人様……。
――小夜香はご主人様を裏切るつもりはありません。
――絶対に、絶対に、絶対にありません。
――でも、確かめたいんです。
それでも小夜香は何度途中でタクシーを降りようかと思ったか分からない。
佐伯の怒りに満ちた顔が時おり頭をよぎり、過去に何度か身体に受けた厳しいお仕置きのことを思うと全身が苦しくなった。
けれど――。
一方でそれを思い出すと、さらにあふれ出る自らの体液でショーツを汚していくのが分かった。
また一方で佐伯に捨てられ、彼の所有物でいられなくなることを想像すると――
小夜香の全身は突然ガクガクと震え出した。
タクシーの後部座席で一人葛藤を続けているうちに、とうとうタクシーはアパートの前に着いてしまった。
小夜香はタクシーに乗っていた。
何度も佐伯の車で連れられているうちに、アパートへの行き方は覚えてしまっていた。連れられるのは決まって夜なので見慣れた景色と違うが、もともと記憶力の良い小夜香は目印となる主な建物や看板などがきちんと頭に入っており、道に迷うことはなかった。
佐伯は、今日は出廷のために九州の方へ行っている。絶対にはち合わせることはない。
やはり、あの時見た少女のことはどうしても頭から離れないのだ。
彼女があそこに住んでいることを確かめられたら、佐伯が知らなかったことを発見するという『お手柄』を立てられるかも知れない。
しかし――佐伯は少女のことを知っている上で小夜香に隠しておきたいのだとしたら?
その時はお仕置きどころか、間違いなく小夜香は佐伯に捨てられるだろう。
――ご主人様……。
――小夜香はご主人様を裏切るつもりはありません。
――絶対に、絶対に、絶対にありません。
――でも、確かめたいんです。
それでも小夜香は何度途中でタクシーを降りようかと思ったか分からない。
佐伯の怒りに満ちた顔が時おり頭をよぎり、過去に何度か身体に受けた厳しいお仕置きのことを思うと全身が苦しくなった。
けれど――。
一方でそれを思い出すと、さらにあふれ出る自らの体液でショーツを汚していくのが分かった。
また一方で佐伯に捨てられ、彼の所有物でいられなくなることを想像すると――
小夜香の全身は突然ガクガクと震え出した。
タクシーの後部座席で一人葛藤を続けているうちに、とうとうタクシーはアパートの前に着いてしまった。