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籠の中の少女
第2章 少女と小夜香
 『半分予想通りだったもの』――それはこの少女の存在だ。
 『半分予想だにしなかったもの』――それはこの少女の調教のされ方だ。
 間違いなくこの少女は――
 調教中。
 『奴隷』なのだ。
 この少女は、自分と同じ――。
 小夜香は、まだ完全に成熟しきっていない少女の身体が、成熟した牝の悦楽に浸って溺れる一部始終を目の当たりにして、自身の中の『牝』が呼応し、共鳴するかのように腹の奥から蜜を滴らせ始めていた。
 ――あたし……こんな時に……。
 小夜香は何とか自身の中の『牝』を振り切り、我に帰った。
 まだ中高生としか思えないこの少女の『主』は誰だろう?
 彼女はここに住んでいるのだろうか?
 家族は? 親は?
 複数人数で住むには狭いこの部屋で生活しているのか?
 家族が――親が『主』なのだろうか?
 はたまた、ここには家族でない誰かが一人で住んでいて、その人物が少女の『主』なのか?
 そして調教の時だけここに連れて来られるのか?
 そもそも――小夜香のように自身も了解の上で、求めて奴隷になってるのか。
 ――求めて。
 小夜香は脳裏によぎったその言葉に羞恥と切なさをおぼえた。
 ――ご主人様……。
 小夜香は首を振り、止まりかけた思考をもう一度回転させた。
 もし、この少女が彼女の意志に反して囚われているとしたら?
 監禁されているとしたら?
 助けるべきではないか?
 助けるべきか否か。
 どっちだろう?
 小夜香は少し考えたあと、少女に近づき彼女が噛まされているボールギャグを外した。
 少女の唾液が外したボールギャグからだらりと落ち、彼女の口との間にとろっと糸を引く。
 「……た……すけて……」
 少女は荒い息をしながら消え入りそうな声で言った。
 答えは、出た。
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