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籠の中の少女
第1章 佐伯と小夜香
(3)
佐伯はアパートの玄関の扉を閉めた。小夜香はその後ろでチューブトップにフレアのミニスカート姿で立っていた。この部屋に来た時はまだ陽は落ち切っていなかったが、今はもうすっかり真っ暗だ。
小夜香のひざが小刻みに震えている。
ショーツの中には膣の奥まで突き刺さったバイブレーターがあり、小夜香の腹の奥を感情など持ち合わせない正確な周波で震え続けるという『仕事』をしていた。奥からとめどなくあふれ出てくる欲情の淫液など一切お構いなく、スカートまで汚してしまうんじゃないかという小夜香の心配事にも、快感による膣の不規則な痙攣にも影響されることもなく、淫具は与えられた『仕事』を淡々と正確に行い続けている。
波のようにうねりをもってやってくる快感の中で、佐伯の背中を小夜香は見ていた。腹の芯から湧き出てくる甘い感覚の中で、小夜香はゆっくり廊下の端の部屋の方に目をやる。
このアパートは三階建てで、今居るのはその三階だ。各階に五つ部屋がある。全てがワンルームらしく、アパートというカテゴリーの中では鉄骨の頑丈な造りだが、建物自体小さいのでマンションと呼ぶにはしっくりこない。やはりアパートと呼ぶ方がふさわしい。
階段を上った所から廊下が続いておりそれに沿って各部屋の玄関扉が並んでいるが、ひと部屋だけは廊下の突き当たりが玄関になっていた。玄関扉の横には小さな窓もあり、各階この突き当たりの部屋だけは他の部屋より多少広い間取りということになる。
小夜香たちが使っている部屋は、その広い部屋の隣の隣、すなわちひと部屋空室を挟んだ位置にある。
佐伯が、小夜香を調教するためだけに借りた部屋だった。