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籠の中の少女
第4章 佐伯と少女と松岡と小夜香
「松岡さんの娘さんだから出来たんですか?」小夜香はその言葉を放つのに多少の勇気を要した。
「まさか」松岡が返す。
「娘じゃない……んですか」
「当然」
「じゃあ彼女の両親が纏足を……?」
「いや」
「両親は彼女の足があんなことになってるのを知っているんですか?」
「親かあ……誰なんだろね」
「……え?」
「十年か十一年か……それくらい前に彼女だけを連れてきたんでね」
小夜香は思わず松岡の顔を見た。
間近に迫っている松岡の顔は、いつも通り普通に笑っている。
小夜香の背筋の冷たいものは一気に全身を覆った。
「まさか」松岡が返す。
「娘じゃない……んですか」
「当然」
「じゃあ彼女の両親が纏足を……?」
「いや」
「両親は彼女の足があんなことになってるのを知っているんですか?」
「親かあ……誰なんだろね」
「……え?」
「十年か十一年か……それくらい前に彼女だけを連れてきたんでね」
小夜香は思わず松岡の顔を見た。
間近に迫っている松岡の顔は、いつも通り普通に笑っている。
小夜香の背筋の冷たいものは一気に全身を覆った。