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籠の中の少女
第4章 佐伯と少女と松岡と小夜香

(2)

 松岡は小夜香の肩に手を置いた。
 それだけで小夜香は、全身に電流を流されたような衝撃を感じた。
 構わず松岡は続ける。
 「僕は君に謝らないといけないなぁ」
 「あ……謝る……?」震えた声で小夜香はそう答えるのが精一杯だった。
 「僕はあの時、君にウソをついた。そりゃあさ、まさか君が佐伯先生の奴隷だとは知らなかったからねえ。このアパートには誰も住んでない、と言うしかなかった」
 前に小夜香が一人でここを訪ねて来た時のことを言っているのだろう。
 「レミはね、この部屋という『かご』の中で、長い時間かけて育てた『作品』なんだよ……良く見て、ほら……纏足だけじゃない。今や全身が性感帯、四六時中感じ続けてるんだ。『イけ』と言うだけでアクメするんだよ。最高に可愛いじゃないか!」
 小夜香はレミと呼ばれた少女の方を見た。
 佐伯は、素足のつま先でレミの成熟一歩手前の秘唇を無造作にかき回している。
 レミは全身をびくつかせ、佐伯の足をまるで洗っているかのように、ぴゅっ、ぴゅっ、と何度も潮を噴いている。
 レミは相変わらずうつろな目で、涙を流し、鼻水を垂れて、ボールギャグの隙間からだらだらと唾液を漏らし続けている。
 佐伯は――
 夢中になっていた。
 まるで始めからそのように作られた玩具のように、あからさまな性的反応を示すレミに心を奪われているようだった。
 それは、小夜香の知る佐伯ではなかった。
 ――ご主人様ぁ……
 佐伯はスーツのパンツを脱ぎ、下着も全てはぎ取った。
 そこには、小夜香が久々に目にする、獲物を求めるように荒々しくそそり立つ肉棒があった。
 ――ご主人様……!
 ――待って……!
 佐伯はしゃがみ込み、レミの尻を少し持ち上げると、その秘唇に肉棒をあてがった。
 突然小夜香は佐伯のもとに転がるように駆け寄り、倒れこみ、腕だけで必死に前に進んで佐伯の下半身にすがりついた。そしてレミの身体を押しのけて、佐伯の肉棒にむしゃぶりついた。
 ――あっ……
 ――この匂い……
 ――この味……
 ――ご主人様っ……
 小夜香は口全体で佐伯を味わった。全身が口になり、全身が性器になったようだった。すぐさま子宮の奥の芯から熱いものが込み上げてきて、腰がひくついた。
 小夜香の目から涙が溢れた。
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