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籠の中の少女
第4章 佐伯と少女と松岡と小夜香
突然、小夜香はものすごい力で突き飛ばされ、レミのそばの床に勢いよく倒された。
今度は佐伯が小夜香の体を突き飛ばしレミから引き離したのだ。
怒りの感情で一杯になった佐伯の目は、その光だけで小夜香を縛り付けるような勢いを宿している。
しかし小夜香は――
その目にひるまず、佐伯をじっと、精一杯の力で見返していた。
唇を白濁液まみれにしながら。
「小夜香……なんだその目は……」佐伯がその言葉を言い終わらないうちに、小夜香はびしょ濡れの床を両手でバンッ!! と勢いよく叩いて言った。
「ご主人様っ!!」
小夜香が叩いた床からは、あらゆる方へしぶきが飛び散っていく。
小夜香は床の上の濡れた自分の手の甲に目を落とした。
「ご主人様……」
小夜香はまだ下を向いている。
「ご主人様……小夜香は……」
そして小夜香は顔をさっと上げて佐伯を見た。
「もう一回死ななきゃダメなんですか!!」
小夜香は腹の底から大声を上げ、言い終わるやいなや佐伯に体当たりした。
飛ばされる佐伯の体。
レミの上半身に馬乗りになる小夜香。
レミの顔面を右から左から何度も打ち付ける小夜香の拳。
みるみる腫れゆくレミの顔面と飛び散る鼻血。
レミの細い首にかかる小夜香の両手。
力が入っていくことを示す小夜香の両腕の震え――
今度は佐伯が小夜香の体を突き飛ばしレミから引き離したのだ。
怒りの感情で一杯になった佐伯の目は、その光だけで小夜香を縛り付けるような勢いを宿している。
しかし小夜香は――
その目にひるまず、佐伯をじっと、精一杯の力で見返していた。
唇を白濁液まみれにしながら。
「小夜香……なんだその目は……」佐伯がその言葉を言い終わらないうちに、小夜香はびしょ濡れの床を両手でバンッ!! と勢いよく叩いて言った。
「ご主人様っ!!」
小夜香が叩いた床からは、あらゆる方へしぶきが飛び散っていく。
小夜香は床の上の濡れた自分の手の甲に目を落とした。
「ご主人様……」
小夜香はまだ下を向いている。
「ご主人様……小夜香は……」
そして小夜香は顔をさっと上げて佐伯を見た。
「もう一回死ななきゃダメなんですか!!」
小夜香は腹の底から大声を上げ、言い終わるやいなや佐伯に体当たりした。
飛ばされる佐伯の体。
レミの上半身に馬乗りになる小夜香。
レミの顔面を右から左から何度も打ち付ける小夜香の拳。
みるみる腫れゆくレミの顔面と飛び散る鼻血。
レミの細い首にかかる小夜香の両手。
力が入っていくことを示す小夜香の両腕の震え――