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籠の中の少女
第1章 佐伯と小夜香

(4)

 帰りの車の中で、助手席の小夜香はずっとそのままバイブレーターで膣内をかき回され続けていた。
 佐伯の許可なく絶頂を迎えることは禁じられているので、必死に小夜香は子宮口を伝って腹の奥の芯にやってくる振動にひたすら耐えていた。声も我慢するのだが、どうしても嗚咽のようなものが意思に反してときどき喉を伝って舌先に漏れてくる。
 佐伯はまるでそんなこと知らないとでもいわんばかりに、ずっと黙ったまま田舎道を運転し続けている。
 ――あ、また大きな波が……
 ――いっちゃいそう……
 ――だめ、お願い……
 小夜香は車外の景色を見て、目に入ってくる建物の数を数えることで気をそらせようとした。
 それでも、容赦なく刺激を与え続けられている小夜香の秘宮の甘美な感覚の膨張は、表面張力で何とか水がこぼれずに保たれているコップに止められることなくスポイトで一滴ずつ水を足されているように、今にもあふれて解き放たれそうな所まで来ていた。
 ――そうだ。
 ――あの小窓の女の人のこと考えよう。
 ――あたしがまだあのことを考えてるってご主人様がお知りになったら。
 ――どんなに苦しいお仕置きが待ってるだろう?
 ――いや、あきれてあたしをお捨てになるかも知れない。
 「……捨てるぞ」
 何の前触れもなく佐伯の発した言葉に、小夜香は全身を雷で打たれたようになり、助手席の上を飛び上がらんばかりに背筋を正した。
 ――聞こえてる!? あ、あたし……思ってること声に出しちゃってたの……!?
 「この先、小夜香が私の言う事を聞かないことが何度も繰り返されたら、な」
 ――違った……声に出してたわけじゃない……
 ――でも……
 「その時は小夜香、私はお前を遠慮なく捨てる」
 ――す・て・る……?
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