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みなしごの告白
第1章 告白 一
(3)
私が落ち着いてきたのを見て取ると、常務はめくれ上がっていた私のスカートを綺麗に直し、そっと肩に手をおかれました。その時……なんでしょうか、恥ずかしさの中に、一種の安心感みたいなのが芽生えたのを覚えています。……不思議ですね。当時の私にとってこれ以上ない羞恥を与えた人の感触が安心感になるなんて……。実は一瞬ですが、もしかしたらここでこのまま常務に強引に処女を奪われてしまうんじゃないかってくらいは覚悟したんです。それが、それ以上何もせずに……それ以上でなくても十分衝撃的なことでしたけど……私の服まで直して、動じる様子もなく普段通りに振舞われたんです。安心感のようなものを抱いたのはそれもあるかも知れませんね。そのまま常務は穏やかな微笑を浮かべながら、車を出されました。それから実家に着くまで、まるで何事もなかったかのように世間話や会社のこと、秘書になるために勉強しないといけないことなど、性的なこととは全く無縁の話をずっとされていました。私も当然それに受け答えしたり相づち打ったりするわけですが……そうしてるうちにまるでさっきの絶頂が、夢や幻覚で実際にはなかったことのようにさえ思えてきました。