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みなしごの告白
第1章 告白 一
 実際、常務はその時の私の状態を見抜かれていました。後日お聞きしましたから……。実家へ向かう途中、常務は海沿いのひと気のない所で車を止められたんです。そして、そこで私を常務の秘書にするつもりだとおっしゃいました。高卒の私が秘書なんて務まるとはとても……そういうのは大卒の方がされるんじゃないですか? と私が聞き返したり、そんなことは関係ないと常務がおっしゃったり……そんな話をしながら、常務はスーツのスカートから伸びる私の太ももに手を置かれました。その時も……私の膣は濡れ続けていて、常務の指が太ももの上で数ミリ動いただけで、まるで静寂から突然大音量のオーケストラが鳴り響いたような振動が全身を駆け巡りました。ストッキングを履いていたんですけど、なまじ生脚にたくさん触れられるより、ストッキングの繊維を爪でこする一回の微かな振動の方が、逆にバイオリンの弦を弾いているような振動に増幅されるようでした。たぶん……私の呼吸も少し荒くなっていたと思います。
 その時突然……全身を電流のようなものが突き抜けて、頭の奥まで到達したかと思うと目の前が真っ白になりました。その感覚の元はクリトリスで……常務がストッキング越しに股間に当てたローターの振動で、一気に絶頂に達してしまったことを理解したのは、数分間しばらく放心してようやく呼吸が落ち着いてきた後のことでした。あ、もちろんその頃の私は……ローターなんていうものを知りませんでした。いえ、この情報過多の時代ですから何となくは知っていましたが、あんな感触が身体を襲うなんてことは全く……。その後、気分がだんだん落ち着いてくると、途端に強烈な恥ずかしさが襲ってきて、すぐにでも車を降りて走って逃げたくなりました。処女なのに、男の人の身体さえもまだ知らないのに、これから入る会社の役員とはいえ、赤の他人同然の方に……絶頂させられて、その様子までしっかり見られたのですから……。
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