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みなしごの告白
第2章 告白 二
(3)
常務は、車で迎えに行くと渋滞で時間がかかってしまうから、電車で両国まで出てくるようおっしゃいました。言われた通り電車に乗り、両国の駅で降りて……駅近くでお待ちになっていた常務の車に乗りました。常務は、特に嬉しそうな顔をされるわけでもなくいつもの落ち着いた様子でいらっしゃいましたが、ちょっとした仕草とか、口元とか、言葉とか……そんな中に、私が来たことを喜んでらっしゃるのが私にははっきりと分かりました。そして私も……それが嬉しかったんです。ついさっきまで、地元のショッピングモールで全然感じなかった感覚が……たっぷりと水を含んだスポンジをゆっくり握るように、心からじわっ……とあふれ出てきたんです。このまま……そのスポンジを力一杯握りつぶして欲しい……そう……思ったんです。その後、近くのイタリアンのお店に行きました。私が緊張しないように、と配慮くださったようで、カジュアルな感じのお店でした。それでも、周りは大人ばかりで私のような高校生が行くようなお店ではありませんでしたけど……。そして帰りは前回のように車で実家まで送っていただきました……でもその途中で……ひと気のない海沿いの道に入って……常務は車を止められました。そして、後部座席に移るようおっしゃいました。大きめのセダンタイプなので、後部座席は割と余裕のある広さです。私は一旦外に出て、後ろに乗り直しました。そして常務も運転席から出てらして……後ろに来て、私の隣に座られました。私はもう心臓がドキドキして……完全に、その……快楽を……いただけるのを期待してました……。けど、常務は一向に動かれる様子もなく、じっと私の顔を見たまま微動だにされませんでした。やがて一言、静かに、でもはっきりとおっしゃいました。
『俺の女になれ』