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♡♡年下Lovers
第3章 THREE

「やっと会えた、…ずっと会いたかった…」
笑顔を絶やさずそんなことを言う彼。
「…名前、は?」
「……真紘って呼んで、莉奈ちゃん」
莉奈ちゃんと呼ばれて我に返った。私、今まで名前なんて聞いたことなかったのに…
「莉奈ちゃんが中等部の時、気付いてないかもしれないけど、ずっと…」
「え?…私、あなたと会ったこと…」
「真紘だよ、…ずっと電車で見てたんだ…」
「…うそ……」
「本当、一年間ずっと寂しくって…割り切ろうと思ってもできなくて、だからこっちに来た。で、莉奈ちゃんに会いに行こうとしたら、低学年は後だとか、順番が決まってるとか、意味の分からないこと言うんだよ?」
面白おかしく話す真紘くんに私も声を出して笑った。
笑った私を見て、真紘くんも嬉しそうにまた笑う。
「付き合うのって、俺だけの意志でそうなるものじゃないって分かってるから、今日は告白じゃなくって、約束…みたいなものをしにきました」
「…約束?」
「そう、莉奈ちゃん、何分の電車に乗ってる?」
「え?…私、結構早いよ?」
「うん、教えて。また、同じ電車に乗りたいから」
ただそんなことが初めてだったから…
告白じゃなく、…そんな変わった約束をしにきた人なんていなかったから…
だから、私は胸がドキっと立てた音を気付かない振りして、電車の時間を教えてしまったんだ…

