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官能ショートショート『366日』
第1章
え、まさか、そんなこと……。
ありふれた苗字だったから、今の今まで気にも留めてなかった。
でも同じ苗字だ。
そして、今向かっているのは彼が住んでいる町だ。
うそ……うそよ……。
「結衣さん、予定日はいつ?」
凜子は平静を装って訊いた。
「実は今月の15日なの……」
彼女の顔に、はにかんだ、それでいて誇らしそうな笑顔が浮かんだ。
心臓が激しく鳴り、逆に体から力が抜けそうになった。
凜子は体を支えるようにハンドルを強く握り締めた。
そんな……。
彼女だ。
彼女だったんだ……。
凜子は唇を噛みしめた。
なんで神様はこんな皮肉な悪戯をするのだろう……?
彼の言葉で打ちひしがれた私に、尚も鞭打つのか……?
なぜ……?
どうして……?
ありふれた苗字だったから、今の今まで気にも留めてなかった。
でも同じ苗字だ。
そして、今向かっているのは彼が住んでいる町だ。
うそ……うそよ……。
「結衣さん、予定日はいつ?」
凜子は平静を装って訊いた。
「実は今月の15日なの……」
彼女の顔に、はにかんだ、それでいて誇らしそうな笑顔が浮かんだ。
心臓が激しく鳴り、逆に体から力が抜けそうになった。
凜子は体を支えるようにハンドルを強く握り締めた。
そんな……。
彼女だ。
彼女だったんだ……。
凜子は唇を噛みしめた。
なんで神様はこんな皮肉な悪戯をするのだろう……?
彼の言葉で打ちひしがれた私に、尚も鞭打つのか……?
なぜ……?
どうして……?