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魅惑的な指先
第2章 謎の紳士

駅に着きホームまで来ると、少なからず多からずといった人達が目に入る。
待っている人達の性別も半々といったところだろうか。
それを見て、私は緊張して強張らせていた肩の力が抜けるのを感じた。
電車が定刻通りに到着し、それに乗り込む。
私の体を舐め回すように見ていた男が、私の後ろから近付いていた事を、私は気付くことが出来なかった。
ドアの近くに立ち、手すりを握る。
混んでいるわけではないのに、直ぐ後ろに感じる存在感。
窓の外は流れる夜景が見えていたけれど、暗い世界が鏡のようになって車内の様子がガラスに写っていた。
ドアのガラス越しに見えた、私の背後に立つ男。
その姿を目にした時、私の心臓はドクンと跳ね上がった…。

