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魅惑的な指先
第2章 謎の紳士

--- 次は、○○…
という車内アナウンスが流れると、這わせていた手を引く男。
自分がしている行為を理解しての事だろう。
でも、次に電車が走り出したら、痴漢行為を再開されるはずだ。
こんなのは、もう嫌だ…。
停車してドアが開いたら、乗る車両を変えようと
電車が停車するその時を今か今かと待っていた。
--- プシュー…ガタンッ
開いたドアからいち早く下車しようとしていた私の背を、誰かが手を当て優しく押し出した。
まさか、痴漢男が下車させる為に押したのだろうか?
こんな途中下車だなんて…そんなの、痴漢行為以上の事をされなねない。
慌てて隣の車両に駆け込もうとする私。
その私の腕を、誰かが掴んで引き留めた。
目の前で電車のドアが閉まるのを目にして、私は絶望的な状況におかれてしまう…。
ガタガタと震え出す私の肩。
その肩に、ポンと手が置かれた事に気付き、私は恐怖のあまりに飛び上がった…。

