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魅惑的な指先
第2章 謎の紳士


何もしない。
送るだけ。


そう言われて素直について行ってしまっていいのだろうか。
でも、逃げ出そうにしてもこの人から逃げ出せそうにない威圧感の様なものを感じる。


穏やかな笑顔をしているのにも係わらず…。


改札口を目の前にした時、もしも危ないと感じたら駅員に助けを求めようとさえ思っていた。


その周辺には既に痴漢男達の姿はなく、あの後どうなったのだろうかと、不安感は増幅し鼓動は早くなっていく。


いつでも逃げ出せるように、私は身構えていた。






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