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魅惑的な指先
第3章 車内に響く、音と吐息

白い高級車を背にしながら、私に微笑みを向けている理人と呼ばれた男性は、朝、私にこのハンカチを巻いてくれた男性だった。
朝とは違う整えられた容姿に、私は見惚れるばかりで声を発することが出来ない。
ワックスで癖付けされた流れるような髪。
薄い色のストライプが入った黒のスーツ。
朝と同じの、金色の腕時計…。
そのどれもが魅力的で、私に向けて手を伸ばされた事にも気付かなかったくらいだ。
「大変でしたね。でも、もう大丈夫ですよ。
途中下車をさせてしまい、申し訳ありません。
家まで、送らせて頂けますか?」
そう言った理人さんは、私の背に手を添え車にエスコートをした。

