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Neve
第1章 冬猫マロース
「お待たせっ」
外に出るとセリシアが指を擦りながら立っていた。
家に入っていれば良かったのに。
「おっそいー。もう指が超冷たいよー…」
「そうだろうと思ってはいっ」
「何これ?」
「ココア淹れて来たっ」
「え⁉あ……んー......」
セリシアは僕が渡したココアを見ながら難しい顔をしている。
何だろう?と固まっているとライトが口を開いた。
「こんなの淹れてる暇があったらさっさと出て来てくれれば良かったのにって?」
一瞬意味がわからなかったが、意味がわかると途端に申し訳なくなった。
ごもっとも過ぎて。
僕は何で自分の事しか考えられないんだ…
「っごめん!」
謝らずにはいられなくなった。
「ごめん…待たせて…」
なんともいたたまれない気持ちで俯くと、セリシアはコップを僕の手ごと包み込み、
「ふふふっライが言ったこともあたりだけれど、レイの気遣いも嬉しいから。大丈夫だよっ」
そう言ってセリシアは笑ってくれた。
鼓動が大きく脈打つ。
ああ、僕はやっぱり君が大好きなんだな。
セリシアの一言一言で一喜一憂する僕は正直滑稽だが、
セリシアのせいでそうなってると思うと何故か嫌ではない。
恋は盲目なんてよく言うけれど、それはやっぱり本当だ。
外に出るとセリシアが指を擦りながら立っていた。
家に入っていれば良かったのに。
「おっそいー。もう指が超冷たいよー…」
「そうだろうと思ってはいっ」
「何これ?」
「ココア淹れて来たっ」
「え⁉あ……んー......」
セリシアは僕が渡したココアを見ながら難しい顔をしている。
何だろう?と固まっているとライトが口を開いた。
「こんなの淹れてる暇があったらさっさと出て来てくれれば良かったのにって?」
一瞬意味がわからなかったが、意味がわかると途端に申し訳なくなった。
ごもっとも過ぎて。
僕は何で自分の事しか考えられないんだ…
「っごめん!」
謝らずにはいられなくなった。
「ごめん…待たせて…」
なんともいたたまれない気持ちで俯くと、セリシアはコップを僕の手ごと包み込み、
「ふふふっライが言ったこともあたりだけれど、レイの気遣いも嬉しいから。大丈夫だよっ」
そう言ってセリシアは笑ってくれた。
鼓動が大きく脈打つ。
ああ、僕はやっぱり君が大好きなんだな。
セリシアの一言一言で一喜一憂する僕は正直滑稽だが、
セリシアのせいでそうなってると思うと何故か嫌ではない。
恋は盲目なんてよく言うけれど、それはやっぱり本当だ。