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狂人、淫獣を作る
第1章 獲物
源は将棋の駒をつまんだり盤に打ったりしながら言った。
「なるほど……倶楽部では貴重な若い素材ではあったものの、結局その奴隷だけでは満たされず二人目を所望されることになったと?」
「当時、十八歳の高校生」
「ほう……! 二人目が、ですか?」
源の反応に強面の後藤の表情が若干ゆるんだのは、熱燗がほど良く回ってきたせいだけではないだろう。
「処女ではなかったがな……それ以外は、アナルはもちろん、何もかもが無垢のままだった」
「まさかそんな女子高生が倶楽部に出入りしていたわけじゃないですよね?」
「当然だ。あれは……」
後藤は口を開こうとしたが、突然笑みが消え、口をつぐんでしまった。
「……後藤氏、どうかされましたか?」
後藤はまた何か考えている風である。
「私はね後藤氏、あなたの調教手腕やマゾヒスト女性を巧みに操る手腕はもちろん、根底にある嗜虐性愛観、あるいは思想……そういう所に感服しているのです。どんな世界であれ、話というものは……」
源は一旦そこで言葉を区切った。そして続けた。
「一流の人間に聞いてこそ価値があるのです」
何かを思案し続けていた後藤の顔に、再びかすかな笑みが戻った。
「被虐性愛を知らない高校生が、後藤氏のどんな手腕によってどのように目覚めて成長していったのか。片鱗でも構いません、私にお聞かせ願えないものでしょうか?」
後藤は猪口の酒をぐいっと呑み干すと、口を開いた。
「あれは……そうだな……恥ずかしながら俺の手腕が全てではなく、幸運も重なった」
そうして後藤はようやく事の顛末を話し始めた。
「なるほど……倶楽部では貴重な若い素材ではあったものの、結局その奴隷だけでは満たされず二人目を所望されることになったと?」
「当時、十八歳の高校生」
「ほう……! 二人目が、ですか?」
源の反応に強面の後藤の表情が若干ゆるんだのは、熱燗がほど良く回ってきたせいだけではないだろう。
「処女ではなかったがな……それ以外は、アナルはもちろん、何もかもが無垢のままだった」
「まさかそんな女子高生が倶楽部に出入りしていたわけじゃないですよね?」
「当然だ。あれは……」
後藤は口を開こうとしたが、突然笑みが消え、口をつぐんでしまった。
「……後藤氏、どうかされましたか?」
後藤はまた何か考えている風である。
「私はね後藤氏、あなたの調教手腕やマゾヒスト女性を巧みに操る手腕はもちろん、根底にある嗜虐性愛観、あるいは思想……そういう所に感服しているのです。どんな世界であれ、話というものは……」
源は一旦そこで言葉を区切った。そして続けた。
「一流の人間に聞いてこそ価値があるのです」
何かを思案し続けていた後藤の顔に、再びかすかな笑みが戻った。
「被虐性愛を知らない高校生が、後藤氏のどんな手腕によってどのように目覚めて成長していったのか。片鱗でも構いません、私にお聞かせ願えないものでしょうか?」
後藤は猪口の酒をぐいっと呑み干すと、口を開いた。
「あれは……そうだな……恥ずかしながら俺の手腕が全てではなく、幸運も重なった」
そうして後藤はようやく事の顛末を話し始めた。