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狂人、淫獣を作る
第2章 捕獲

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 「……滝沢くん……だったね? 信じられないかも知れないが、野田はこういうことをやる男なんだよ。君の同意なく、こんなものを平気で他人に送る」
 後藤は、自分の車の助手席に座る少女に頭を近づけ、出来るだけ声を落としつつも強い口調で言った。
 滝沢と呼ばれた少女――リナは、後藤が見せる携帯の画面に視線が釘付けになっていた。全身をかすかに震わせながら――。
 後藤とリナはひと気のない高台の公園脇の道に停めている車中にいた。車中からは、公園内で後藤の小学生の娘――結芽と野田とがボールを投げ合って遊んでいるのが見える。
 『ジュン、この生徒がお前の忠実な奴隷になれるように、その心構えを俺が直々に彼女にさとしてやる。これからの調教が断然やりやすくなるはずだ』後藤は野田にそう言って、この場所にリナを連れて来させたのだった。『何の話をするかは教えるな……信頼できる親友に会わせたい、とだけ言え。しかもかつての同級生だ……ジュン、いかに俺が信頼に足る人間か、お前が一番良く知ってる。この生徒にもそれをしっかりと理解させてから連れてくるんだ』後藤はそうも言っておいた。野田は二つ返事で了承した。後藤はリナの警戒を少しでも解くよう娘の結芽を乗せ、野田はリナを乗せ、各々の車でこの待ち合わせ場所に来たのだった。
 車中で後藤が携帯の画面を操作するたびに、野田と性行為に及んでいるリナのあられもない姿をとらえた画像が次々と流れていく。リナは眼鏡越しにそれらの画像を呆然と見ている。
 後藤はリナの反応を見ながら、同時にその顔や身体を観察していた。
 リナは地味な薄いピンクのスウェットパーカと、さほど短くはないデニムのスカート、スニーカーという格好だった。だが、後藤の女体を品定めする眼力には服装など何の障害でもなかった。
 あふれんばかりの若さではち切れそうな張りを持つ透き通るような白い肌。その点はマユの比ではない。美しく流れるような黒髪。眼鏡の奥のくっきりとした澄んだ瞳。太ってはいないが痩せてもなくちょうどいい触り心地よさそうな肉付き。そしてその全身は、大人っぽさと幼さの境界線上にいる女だけが出せる、瑞々しさと危うさをはらむ色香をまとっていた。
 その身体が不安におののいている様子が――嗜虐心をあおる。
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