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狂人、淫獣を作る
第2章 捕獲
 「いいか、君も信じるな……俺には君を守ってやれる用意がある。それと……」
 「あ、あ、ありがとうございますっ……!」
 「……どうして突然謝るのかな?」
 「え? あ、その……写真……消してくれて……」
 不安と緊張とで混乱しているのか、リナの言うことが一段階ずれている。
 「あ、すみませんっ……受験……大学行きたいです、守って……もらえるなら……そ、それと……なんでした……っけ……?」
 後藤は、リナにほほ笑みかけながら言ってやった。
 「少し深呼吸してみるか」
 「は、はい!」リナは後藤に言われるまま、数回大きく呼吸をした。呼吸のたびにやや小ぶりの乳房を突き出すような格好になる。
 後藤はスウェットにおおわれたその膨らみの中身を、先端に付いている若々しい蕾の形を想像した。そしてその蕾が様々な責めで被虐の悦びに打ち震える様子が目に浮かんだ。
 「いいか、俺は野田を信じていない。君も絶対に信じちゃだめだ。今、この時点で、あいつとの間にあったことは終わりにするんだ。そして親に相談しなさい」
 「えっ!……そんなこと……言えません……言えないですっ……」
 「なんなら、俺が一緒についていこう……いずれにせよ、君はまだ親の世話になっている身分なんだ。親に心配かけたくない気持ちは分かる。だからといって、それを世話になっている親に隠すことは、いけないことなんだ……自分一人では解決できない所に来ている。親に隠したままにして、野田にもっとひどいことをされてしまわないうちに、やらなきゃいけない……! 大丈夫だ。勇気を出すんだ。君ならできる」
 後藤はポケットから名刺を取り出すと、そこにペンで携帯番号を走り書きしてリナに差し出した。
 出した名刺は後藤の経営する塾の社長としての名刺だった。
 「もう一度言う。いざという時は、俺が守ってあげよう」
 リナは震える両手で名刺をしっかりと受け取った。

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