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狂人、淫獣を作る
第4章 淫獣
 その時、後藤は下腹部に違和感を覚えた。
 いつの間にか浴衣をはだけさせられ、下着から取り出された肉棒を結芽が一心不乱に含んでしゃぶっているのだ。
 後藤の頭は混乱を極め、身体に力が入らなくなった。
 にもかかわらず、全身の隅々に散らばっている情念のほとばしりが、意思とは関係なく勝手に猛烈な勢いでかき集められ、自身の股間に根を張っている肉の棒へと一気に注入されていく。大きくそそり立ち、太さを増し、亀頭は破裂しそうなほどに張り詰めていく。
 実の娘の行動に対する自身の身体の反応に、後藤は気が狂いそうになってきていた。
 こんな反応するはずがない――!
 脳だけが自分で、身体は別の男のものになったようだった。
 後藤は後ろ向きに畳の上に倒れながらも、何とか結芽の身体を突き飛ばした。
 後藤は尋常ではない量の汗で、浴衣がべっとりと体に張りついているのが分かった。
 心臓がかつて感じたことのないほどの速さで鼓動している。
 呼吸も、荒い。苦しい。吸っても吸っても、空気が肺に入ってこない。
 突き飛ばされて転がった結芽は、後藤に掛けてもらった半纏を捨てるように放り投げ、ゆっくり起き上がって四つん這いのまま後藤のもとへと迫ってくる。
 「パパぁ……ひどぉい……ずっと待ってたって言ったでしょお……? ユメのフェラ、そんなに下手くそぉ?」
 確かに、産まれた時からずっと見続けている娘の顔だ。
 よく知っている愛する結芽の顔だ。
 しかし『顔つき』は中学生なのに、『表情』は窒息しそうな強烈な色香を放つ淫獣だ。
 結芽の顔を染める真っ赤な夕日が、その色香を一層濃厚なものにしている。
 後藤は寸分も違わない結芽の顔を持った、別の何かを見ているようだった。
 結芽はさらに後藤に近づいて来た。
 後藤は起き上がれないまま、浴衣の前がはだけて胸や腹、肉棒までもさらした状態であることを構いもせず、仰向けで顔だけを上げてじりじり後ずさりする。
 「パパぁ、どうして逃げるのぉ……? せっかくユメ、マユお姉ちゃんやリナお姉ちゃんと同じようにお仕事のお手伝いできるようになったんだよぉ?」
 結芽は上半身を起こし、自らの両手で両乳首のピアスを思い切りねじった。
 「うああぁぁぁああぁぁんっ……♪ あんっ……あはあぁぁっ!!」
 結芽は全身を大きくビクッ! ビクッ! と跳ねさせ、恍惚の表情を浮かべた。
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