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〝真〟MonsterRaper
第7章 デュラン-番外編
「…エグいけど、そうするしかないわね」

「ボブゴブリンがいないのが幸いだったね。石田さんを村に運んだら僕が後始末に戻るから」

「ありがとう…デルレイ」

二人の会話を聞きながら、デュランは立ち尽くした。
〝殺したくて戦ったんじゃない〟村を守るためにした行動は批判され、相手にもされなかったからだ。




ジャスワントたちは、深い眠りに陥った石田を借家に運び込み、装具を取ってベッドへ寝かせた。

「疲れているのね。スプライトでここまで深く眠るなんて」

「人間は目に見えないものには古来から悪魔の所業と考えているからね」

デルレイは、石田を下ろすと立ち上がって、

「さっそく行ってくるよ…デュランをそんなに責めないでよ。僕の村なら戦争だからね」

「私は彼(石田)を迎えに行っただけ」

「ふ~ん。僕は必要だったのかな?」

「…とにかく、お願いね。ただでさえダークエルフは嫌われ者なんだから」

「コボルトだって一緒さ…まだ、日本では亜人つー扱いだからいいけど。亜人になるまでの犠牲は多かったが…」

人間が認めた亜人たる一番の定義は〝人間の戦争で協力〟したかどうかである。
人間の起こした戦争で人間の徴兵が不可能なため、ヒューマノイド系から徴兵したのである。もちろん、亜人は魔法を駆使しても人間の銃火器による火力にはかなわない。

「結果はどうあれ、デュランは勇者とも英雄とも呼ばれるにふさわしい行動だよ。じゃあ…石田さんを頼むよ」

デルレイは、この場を後にし火つけの作業のためゴブリンの巣に向かった。
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