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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
「しかし、我々もこれ以上の犠牲を払うことは出来ん…あんなバジリスクがうろつく土地では田畑の開拓ができんからな」

「なぜ、俺にそんな話をする? 人間界に亜人は行けないぞ。 セーフティエリアを越えたら害獣扱いだからな」

亜人は樹海と人間界すれすれのゾーンであるセーフティエリアに入ってもいけない。
人間もできるだけ近づかないようにしているのだが、人間側の規制はない。

「我々も戦ってきたがごらんのとおりで、もう少しで全滅しかけて逃げてきたのだ」

ダーベラという男は疲れた表情で俺を見る。

「何と戦ってきたんだ?」

「わからないが…女の植物だよ……だが、ただの植物ではない…そして捕食することなく、まさに殺しを楽しむかのように我々を襲ってきた」

―‐まさか!?
陸軍のBCWアルラウネ…
人間の血を欲するヴァンパイアプラントだ。
樹海に放ったのか?
オリオンキラーと同様、亜人ごときが束になって勝てる相手ではない。
物理攻撃と魔法に関しては絶大なる防御力を持っている。

「その植物はしゃべるのか?」

「ああ、色々難しいことを口走っていたよ…知っているのか?」

「いや…ただ聞いただけだ」

「聞いたところによると貴様は傭兵だそうだな…どうだ、植物女と戦う気はないか?」


―‐「やめておけ。 あの植物女にはソイツでも勝てん!」

思わずムッと来るようなセルフを吐いたのは、ジジイのゴブリン。
魔法使いなのか?王尺のような杖を持っている。
そして足を引きずっている。

「長老!安静にしていてください」

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