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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
「罠だと?」

「…っ。 恐らく樹海に入った人間が建てたものだろう、罠が仕掛けられているかもしれない」

「いや、そうであっても全軍で挑めば何とかなるだろう」

「全軍って言ったって―‐」

十人もいないじゃないか…

「ダーブラ隊長、王女様がいらっしゃいました」

―‐王女!?
ボブゴブリンのエスコートを受けてダーブラの天幕内に王女が入ってきた。

「この方が…王女…」

肌は浅黒いが小柄なアイドルのような少女だ。
胸が大きく露出は少ないが痛んだドレスから見える肌は治りかけの傷だらけである。

「ダーベラ、いつまでこんなところにいるのだ!
なんでエルフとのドラゴン退治を断って植物女にこだわる?」

「…仲間が多く殺されているのですぞ。敵を討たねばならない」

「あのエルフの話ではドラゴン退治に加勢すれば、土地の一部を提供してくれるという」

「ドラゴン…ニーズヘッグのことですな。
ニーズヘッグは戦力で倒せるものではない伝説のドラゴンスレイヤーでなければドラゴンの皮膚を貫くことはできないのです」

「植物女も倒せないぞ。火炎放射器が必要だ」

俺が口をはさむと、

「貴公は?」

「コヤツはエルフの連れで―‐」

俺はダーベラを制し、

「俺は徳田新之助、旗本の三男坊だ…と言いたいところだが、石田という傭兵だ」
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