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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
「どけぇ!」
ダーベラが自らの剣を発火させてオルトロスに向かっていく。
使い込んだ末に魔法剣の剣と化した長剣である。
魔法の剣は戦士ではなく魔法に心得のある者が使用すると通常よりも効果が高いと言われる。
魔法戦士であるダーベラが使用する炎の剣デュランダルは刃を残したまま炎を巻き上げた。
獣は炎を恐れるが目の前の双頭の狼は炎を恐れる雰囲気はなかった。
「ヴォオオオオオオオォォォォッ!」
オルトロスは、大気を震撼させるような雄叫びを上げて身構えた。
その圧力を正面から受ければ体が竦む、と思ったがダーベラは違和感を感じた。
モンスターの咆哮ならバインドボイスだが、狼の咆哮は敵を威嚇するだけで特殊な効果は無い。
デュランダルを振りこんだが、狼は回避せず前脚の大きな爪で弾きかえしてきた。
その隙に死角から蛇である尾がその牙をダーベラに食い込ませようと襲ってくる。
「くっなんて奴だ!」
百戦錬磨のダーベラが目の前の狼に手も足も出ない。
間合いを取っても狼は追撃はしてこない。
ユグドラシルの樹海がかつて魔の森と呼ばれていた頃、
ダーベラはただのゴブリンだった。
当時は日本古来の鬼が多く生息し、外来種は格好の獲物とされた。
鬼は小柄のゴブリンを捕食し、さらには雌を凌辱し、人間にも売りに行っていた。
そんな樹海で彼の母は行方不明となった。
樹海で懐かしい匂いを感じる飛び散った肉片があったが彼は認めなかった。
父は人間に連れて行かれてしまった。
徴兵だった。
だが、彼の父親らの活躍でゴブリンは亜人と認定される。
それ以来は人間から、鬼からの獲物にされることはなくなったが、食うすべのなかったダーベラは盗賊まがいの日々を過ごした。
ある日、戦争で生き残った一人のゴブリンがダーベラたちの集落に帰ってきた。
戦死したゴブリン達の遺品を大量に持っていた。
そこに、その剣があった。
ダーベラが自らの剣を発火させてオルトロスに向かっていく。
使い込んだ末に魔法剣の剣と化した長剣である。
魔法の剣は戦士ではなく魔法に心得のある者が使用すると通常よりも効果が高いと言われる。
魔法戦士であるダーベラが使用する炎の剣デュランダルは刃を残したまま炎を巻き上げた。
獣は炎を恐れるが目の前の双頭の狼は炎を恐れる雰囲気はなかった。
「ヴォオオオオオオオォォォォッ!」
オルトロスは、大気を震撼させるような雄叫びを上げて身構えた。
その圧力を正面から受ければ体が竦む、と思ったがダーベラは違和感を感じた。
モンスターの咆哮ならバインドボイスだが、狼の咆哮は敵を威嚇するだけで特殊な効果は無い。
デュランダルを振りこんだが、狼は回避せず前脚の大きな爪で弾きかえしてきた。
その隙に死角から蛇である尾がその牙をダーベラに食い込ませようと襲ってくる。
「くっなんて奴だ!」
百戦錬磨のダーベラが目の前の狼に手も足も出ない。
間合いを取っても狼は追撃はしてこない。
ユグドラシルの樹海がかつて魔の森と呼ばれていた頃、
ダーベラはただのゴブリンだった。
当時は日本古来の鬼が多く生息し、外来種は格好の獲物とされた。
鬼は小柄のゴブリンを捕食し、さらには雌を凌辱し、人間にも売りに行っていた。
そんな樹海で彼の母は行方不明となった。
樹海で懐かしい匂いを感じる飛び散った肉片があったが彼は認めなかった。
父は人間に連れて行かれてしまった。
徴兵だった。
だが、彼の父親らの活躍でゴブリンは亜人と認定される。
それ以来は人間から、鬼からの獲物にされることはなくなったが、食うすべのなかったダーベラは盗賊まがいの日々を過ごした。
ある日、戦争で生き残った一人のゴブリンがダーベラたちの集落に帰ってきた。
戦死したゴブリン達の遺品を大量に持っていた。
そこに、その剣があった。