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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
「ガルルルルッ!」

「おおっ!?」

いきなり、双頭の狼オルトロスが飛びかかって来た。
ライフルで咄嗟にガードするが鋭利な牙は銃の鉄をも砕きそうだ。

「…グルルル! 人間からここに来るとは」陸軍の迷彩服…何者だ?

「ちっ!」

隠し腕(極小ナイフ)取り出し、思いっきり、オルトロスの脇腹に突き刺そうとしたが―‐
尻尾の蛇が勢いよく俺の手にかぶりついてきた。

「!!っ」

手に燃えるような痛みが走った。
オルトロスは鼻が利く、既に接近を悟られていたようだ。

「ダーリン!」

―‐ガッ
オルトロスが吹っ飛んだ。
右手は…毒ではないが痺れて動かせない。

「デルピューネ!」

彼女が蛇尾でオルトロスを吹き飛ばしてくれたようだ。

「…光よ、見えざる鎧となりて、勇者を守れ!」

一瞬、光のヴェールが俺の体を覆った。
彼女が俺に魔法をかけてくれたようだ。

さらに、

「大地母神イザナミよ、森羅万象の加護を愛する者に!」

今度は、手の痺れと傷も消え、体力が、疲れが徐々に消えていくようだ。
まさか、デルピューネが魔眼だけでなく、ここまで魔法に精通しているなんて??


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