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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる

―‐**

「あの男…出て行ってしまったぞ」

ズメディは洩れるように呟いた。

ダーベラは追って行こうと外に出たが、石田は見当たらない。
ヒヒーンの柵屋まで走った。

「急いでどこに行く、ダーベラ?」

声をかけてきたのは長老。

「あの自衛隊の男はどこに向かって行きましたか?」

「…わしは見ておらんぞ」

「…そうですか…」

「一体、何があったんじゃ? 傭兵の男には女遊びさせてやるかわりに協力を得たのではないのか?」

「彼の連れの…雌モンスターが密猟者に捕獲されたのです…
雌モンスターは売られてしまえば、一生性奴隷として人間に凌辱されてしまう…」

モンスターを助けに行くなどとは口が裂けても言えない。
この状況で…ダーベラは思った。

「助けに行こうというのか…我々を食うモンスターを…」

「……わかりませんが、そのモンスターに我々は助けてもらいました。
あの植物から、そして密猟者からも」

「まぁ…お嬢様は許さんな」

長老も王女をお嬢様と呼んだ。
そして、ダーベラに近づいた。

「お前の父とはザマン島で一緒に戦った…」

ザマン島とは日本とガ軍が衝突した島の名である。
もう数十年以上の前の話だ。

「父と…」

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