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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
そう聞いてくるのは砦の責任者というトカゲ男。
ビックリすることに欧米の男爵のようなヒゲが生えている。
そして彼は鎧でなく、黒いフロックコートだ。

「そうだ。時間がないんだ解放してくれるか?
竜人鬼は亜人だ。人間を殺せないぞ」

リザードマンは亜人である。
だが、樹海ではリザードマンをモンスター視する亜人も多い。

爬虫類は寒さに弱い。
そして砦は石を積み重ねた粗末な建物だ。
かなり寒いが、暖炉がある。
そしてテーブルとコーヒーだ。

「ふ~む、まぁ今日は牢屋で過ごしてもらおうか」

「お前、責任者なのだろう? なんでジャッジしないんだ。俺は竜人鬼には危害は一切くわえない」

「アルフレッド様。族長がお見えになりました」

兵士らしきリザードマンが伝令に来たようだ。
アルフレッドはこの髭のことか、族長とは?

「あの若造…また来たのか…アレ以来、うるさくなったもんだな。
尋問中だからと待たせておけ!」

―-バタンッ
扉が開くと若いリザードマンが入ってきた。
兵士同様に皮の鎧だが、剣は大剣(グレートソード)だ。

「叔父上!夜なのになぜ集落まで巡回させないのです?―‐あっ」

若造と呼ばれた男は俺の顔を見ると、

「あなたは…たしかサソリから我々を救ってくれたハイザックとかいう名の勇者では?」

俺を知っているようだが、如何せん皆ツラが同じすぎて…

「もしかして、以前…地下道で大サソリと戦っていたトカゲか?」

紛れもない、彼はオリオンキラーと戦闘していた男だ。

「なぜ、あなたがここに居るのです?」


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