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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
俺はカクカクシカジカとことの成り行きを簡潔に話した。

「なるほど…密猟者に大サソリ並みの植物モンスターがいると…」

「ちょうどいい、夜明けまでどこかで寝かせてくれないかな?」

「すぐ、近くに集落がありますから私の家に来ませんか?」

行為は嬉しいがデルピューネのことを考えると贅沢な環境で体を休ませたくない。

「その義には及ばん」

「あなたは英雄だ。我々はあなたに救って頂いたと言っても過言ではない。
私もあなたのお仲間を助けるためお供させてください」

青年は俺の肩を掴んで懇願してきた。

「ナシュル…本気で言っているのか!兄上が戦死した今はお前が族長なのだぞ」

責任者はビックリした。

「父上の敵を倒してくれた方がこの人間なのです叔父上!
それに樹海の脅威であれば排除するのがリザードマン戦士の務めであるべきです」

青年は大剣を抜いた。

「叔父上、私がもし帰らなければ叔父上が族長となってください」

「ナシュル!
お前、この人間にどれだけの恩があるってんだ!?」

「あの大サソリと戦った時…いや、あの魔神ともいえる強さと対峙した私は死を覚悟した。
この剣で傷すら入らない…魔法にも動じない…ドラゴンですら一撃で握りつぶす怪力…。
この方は果敢にも仲間を逃がすために立ち向かっていった」

剣の表面を見つめ、そして鞘に戻した。

「今度は私があなたに協力します。
そして、きっとあなたの仲間を助けてみせる」

「…ナシュル…そんな大サソリと同等のモンスター討伐に一族の兵は出せんぞ」

「構いません。私は彼の従僕としてお供するのですから」

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