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第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる

「美野里川、馬頭、エンプーサ、サキュバス、アルカード……ニャロ…」

仲間と何かの名前をつぶやいた。
そして、ダーベラにしっかりと視線を合わせるとポーチから手榴弾を出そうとした。
これは本物のようだ。

土手山の動きに反応した、
デュランダルが土手山の頭にたたきつけられる瞬間―-――



「待って！」

そう言ったのは、アルラウネだった。
デュランダルはアルラウネの触手で打ち払われた。
だが、別の触手がデュランダルを空中でキャッチする。

ダーベラの部下たちはアルラウネに戦闘態勢をとった。

「亜人も人間も戦うことはない。そして私も…」

アルラウネは人間部の手でデュランダルを持ち直し炎を見つめた。

「…殺したくて…殺したんじゃない…でも、ここで私の姿を見たものはモンスターでも亜人でも襲い掛かってきた。
ずっと身を隠していればと、この大きな木に向かってきたけど…生きながらえてるとロストした仲間を思い出して申し訳ない気持ちでいっぱいになった…」

クローターは弓を構えてアルラウネを狙おうとした。
それはアズダールが手を伸ばし、首を振った。

「私はAIだ……これ以上仲間をロストさせないためには自らが爆弾となって落ちるしかない…
無駄なあがきなのかな…神の罰を受けていたのかな…BCWとして意識を持ったということは…」

アルラウネの瞳から大粒の涙が零れ落ちていく。
泣きじゃくる少女のようだ。

「神の罰を受けている生物などない！」

ダーベラは泣く少女に叫んだ。


「私は…生物ではない…兵器よ。AIが搭載されているだけ…」