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〝真〟MonsterRaper
第3章 疾風の天使
林の中を駆け抜ける。
複雑な起伏のある地面を気にすれば、今度は頭上から垂れ下がった蔦や枝が危険になる。
この場合はヘルメットにゴーグルがあれば安全だ。

丸いヘルメットには訳がある。
衝撃を分散させるためだ。
ヘルメットに弾丸が当たっても滑らせるようになっている。
本当に一直線で直撃すれば貫通するが、その腕を持つのはデューク東郷だけだろう。
古代ローマの丸い盾は、そういう意味で丸みがあったのかもしれない。

PDAに従って進むと滝壺が見えてくる。
ずっと続く水場。
名前も知らない草と花が咲き乱れ、花の香が漂う場所にハーピーがいた。
滝で叩きつけられる水しぶきをハーピーは気持ちよさそうに浴びている。

近づけば、シルフにチクられる。
だが、距離がありすぎると弾丸の威力が弱まるため、近づく。
このまま連射で仕留めてしまおうとスコープをのぞき込む。

しかし―――、

『いない!?』

スコープの中にいるはずのハーピーの姿がまたしてもない。

「どこだ!?」

慌ててスコープから目を離す。
いつの間にかハーピーが、俺の目の前に飛び降りようとしていた。

「ストーカー!」

スコープをのぞこうと目を離した一瞬に、その脚力で一気に俺をめがけて飛びかかってきたのだ。





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