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〝真〟MonsterRaper
第3章 疾風の天使
岸の上に登り、先回りする。
先ほどの平地とはまた違う湖が広がっている。

「いたぞ」

俺は徐々に高度を落とし降りてくるハーピーに肉薄する。
銃を構えスコープをのぞき込む。

ゆっくり降りてくる。
狙うのは簡単だった。

弾丸は炎のフレイム弾。
スコープの中心点をハーピーに合わせ、引き金を引いた。

--ダンッ!
軽い反動とともに銃口が火を吹く。
一直線に飛んだフレイム弾が、徐々に高度を落とすため不安定な体勢となっていたハーピーの翼へ命中する。

効果は絶大だった。

一瞬だが翼が炎に巻かれハーピーはバランスを崩し地面に落下してくる。
すぐに通常弾の入ったマガジンを銃に叩き込みレバーを引いて装填した。

落下地点に駆け寄り、銃剣で斬りつけようとハーピーへ向かう。

「キサマッ!?」

体勢を立て直したハーピーに今度は閃光手榴弾を投げつけ、風圧で叩き落とされる前に空中で閃光手榴弾を狙撃し炸裂させた。

「グアァァァァァ!」

翼で目を塞がれる前に閃光を浴びせ、距離を詰めた。
絶叫を上げながらハーピーは翼をバタバタさせるが、空を飛ぶことはできない。

「このアマぁ!」

目の眩んだハーピーは俺の接近にまるで気づかない。
大きく振りかぶって一撃を肩口にたたきつけた。

「ウアァァァァ!」

飛ばれないように上腕二頭筋を狙ったのだ。
数本の羽毛が弾き飛ぶ。

「もう手加減はし―――おおっ」

ハーピーは見えないなりに、見当をつけて翼を振り回してきた。

「くぅ、あぶねぇ!」

流石は弱肉強食の世界で生きてきたハーピーの攻撃は危うく無防備に近づいてきた俺の肩を斬り裂くところだった。

「クルナァァァ!」

俺を威嚇するように、ハーピーはうなり声を上げて後退りする。
正面からは行けば風圧の刃にやられる。

――ダダダンッ!
三連射でハーピーの胸から腹部といった人間部に銃弾を浴びせた。

「イギャァァァァ!」

思った通り、銃弾は体内に沈まず、地面に落ちた。
銃剣を叩きつけても耐えるような身体は、見かけは人間と同じだが、生物界で鍛えられ本当に鋼のような筋肉になっていたのだ。


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