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〝真〟MonsterRaper
第3章 疾風の天使
大振りの翼による攻撃を引きつけてかわす。
空を裂いて体制を崩したハーピーは立ったまま激しく痙攣し微動だにしない。

翼を自由に動かせないことは、ハーピーにとって致命傷とも言えるだろう。
そろそろ、目くらましから解放されるはず。

「とどめだ」

距離を詰め、再び逃げられない内に斬りつけようと、もう一度肩を狙って銃剣を振りかざすとハーピーはクルッとその場で月面を描がくように飛んで鮮やかに宙を舞った。
尾羽が数本、俺の大腿部に目掛けて女忍者が投げたクナイのように突き飛んできた。

「なっ!?」

ハーピーの臀部を覆う尾羽には強力な毒が分泌されており、ハーピーが宙返りする際など離脱時に放つことがある。
当たると毒に冒される危険な攻撃だ。

バックステップで第一波をかわすが、次の第二波がすぐに突き飛んできた。
銃で飛んできた羽をガードする。
羽の重みは感じないが、ぶつかった羽と鉄が火花を散らした。

「まるで道化だな!」

剣とは違い、剣の腹で攻撃を防ぐようなことはできないものの、鮮やかに軌道を描いたことで尾羽を弾くことができた。

火力を持って圧すれば、倒せると思ったハーピーに油断していた。
ハンターの誰もがハーピーと戦わない理由がわかる。
毒に冒されれば、捕食される!
人間が想像していない死に方のひとつ。

毒のある尾羽に注意を払うと
--今度は真空刃まで飛んできた。
ヒュンッと小気味よく聞こえる空を斬る破音の刃閃が俺の目の前を飛び交い、ハーピーに対し、接近戦と狙撃を許さない。
照準する時間、そして弾道のを乱される。
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