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〝真〟MonsterRaper
第4章 破天荒な美女
バジリスクがバタバタと翼をはためかせながら俺に向かって走り出した。

巨躯だが、翼で勢いがあり早い。

「ガァガァ!」

――!
バックパックを背負う以上
回れない
走って逃げ走る。
巨体はヘッドスライディングのように身を投げ出した。
灌木や草をなぎ倒し、地面を滑ってくる。
頑丈な皮膚がなせる技だ。

気づくとジャスワントがバジリスクに飛び乗り、頭部に向けて渾身の力を込めた斬撃を叩きつける。

「でぁぁぁぁぁッ!」

突き、斬り刺し、躊躇なし攻撃していく。

「強い…」

「ガグアァァァ!?」

途端にバジリスクは激しく体を暴れさせ、そして炎をまき散らす。

「うわぁ!」

火の球が乱れ飛んでくる。

まさにクチバシでなければ、ドラゴンだ。
バジリスクの怒りは更に高まり、狙いもつけずに炎を乱れ放ちながら俺に向かってきた。

反撃は不可能。
この状態では逃げ回るのが精一杯だ。

ジャスワントも振り落とされ地面を転がっている。

数回に渡り、俺を大きなクチバシで啄もうと攻撃したのちバジリスクはおもむろに大空に向かって飛び去った。
まさにドラゴンが暴れたような密林は悲惨な惨状。

「…無理だろう」

思わず放心して、座り込んだ俺に、ジャスワントが駆け寄ってくる。

「大丈夫?」

「まぁ何とか…。でも、倒せるのか?」

そう言うと、ジャスワントは剣の刃をポンポンと叩いてみせた。

「この剣はバジリスクのクチバシを削って鍛えた剣よ」

確かにブレイドの色はクチバシと同じだ。

「まさか、ヤツを仕留めたことがあるのか?」

「まぁね…とは言っても10人で倒したけど。ハイザックもやるわね、一撃でバジリスクがラリってたわ」

サッと剣を盾におさめた。
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