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〝真〟MonsterRaper
第4章 破天荒な美女
「まやかしを使ったな!」

痛みを全く感じないが、止血点から指が離せないでいる俺。

「治療したのは私じゃない。あなたが外道だったらシルフの恩恵は受けれない」

ジャスワントの表情が怪訝に染まる。

「ここまで、痛めつければ十分だろう。もう、このバジリスクはエルフを襲わない」

そう言った途端、ジャスワントの眉が跳ね上がった。

「何が襲わないだ!コイツには何人もの仲間がやられてる!兵隊のカッコしてるクセに平和ボケしやがって!エルフが正面からモンスターに勝てるかぁ!」

普通なら依頼者側でもある、彼女の言う通り。
だが、黙っているわけにもいかない。

「…コイツに戦う意志はなく、今後も戦闘は不可能だ。エネミー(敵)ではない」

「きれいごとを言うな。人間社会と違ってこっちはジャングルで生きているんだ」

ジャスワントが怒りの表情の中、うずくまっていたバジリスクが、いきなり立ち上がった。
どこにそれほどの体力が残っていたのか?
そして羽ばたき始めた。

「に、逃げられる!」

でも、彼女は剣を拾うとはしない。
そうして、残る全ての力を振り絞ったバジリスクは、俺に睨みを利かせると空へと逃れていった。

羽音が聞こえなく後、2人以外、何者もいなくなった周囲に気まずい沈黙が流れる。
ジャスワントは正しい。
バジリスクの最後の肉片ひとつまで、エルフ達は無駄にせずに使うだろう。
皮も爪もクチバシまでも。

痛みでのた打ち回る。
バジリスクを見て、思い出した。
地雷の意味を思い出していた。

地雷は殺す道具ではない。
脚をフッ飛ばす…怪我をさせる武器。
ケガを負った兵士を治療するのに人員と時間と道具を要する。
病院への輸送、リハビリ、今後の社会保障…長期にわたり人的、経済的な負担を課し、敵対勢力を容赦なくたたき伏せる武器だ。

地雷で死んだ兵士には、時間も治療も必要ない。
治療に時間を割かない敵兵にはどんどん進軍されてしまう。

戦争に関係ない人たちや犬や像まで攻撃するのが地雷だ。

『平和ボケか…』


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