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〝真〟MonsterRaper
第7章 デュラン-番外編
人間にとってゴブリンはエルフと同じく亜人である。
判定には人肉を食らうかがある。
亜人は人間を食べないのだ。
獣人(ヒューマノイド)か半獣かも微妙な判定要素だ。

「ニーズヘッグ対策で大型モンスターやドラゴンの脅威に関しては協力すべきではないかしら?」

デュランは失望した。
村で唯一シルフ(風の精霊)の魔法が使えるジャスワントの放った言葉であったのだ。
純血ハーフエルフは地(ノーム)、水(ウインディーネ)、火(サラマンダー)四大精霊の加護を受けることができる。
これはハイエンシェント(古代魔法)を使えるハイエルフと並ぶ力を有している。

「ジャスワントっ!ゴブリンはあの男(石田)と同じでおぞましい生き物だ。平気で裏切る!村に被害が出る前に叩かなくては!」

デュランは怒りで再び、テーブルに拳を叩きつけた。

「俺の親父も御袋も…村の為に戦ったのに!お前らは賞金稼ぎと罵ってバカにしていただろう!……もういい俺が一人でやる!」

デュランは怒りの表情で歩きはじめた。
力に恵まれないエルフには重い盾で動きに軽快さはない。
だが、後方から声がかかる。

「デュラン!村としてモンスターとして情報を把握し、依頼書として貼り出さないと戦ってはいけない決まりだぞ!」

誰の声かはわからない。
デュランが食堂の扉に近付いた時であった。

--ガチャンっ
デュランの嫌いな人間の男が入ってきた。
スレンダーな肉体を露わにしたタンクトップ姿で肩幅が大きい。
身長が、あと10cmあればと願う石田尚樹であった。

「どかんかいボケぇ」

デュランは彼の腕で横に払われた。
人間の彼は、アウェーであるこの村では嫌われているので態度が日に日に悪くなっていくのだ。
彼が旗揚げした傭兵事務所には一件の依頼もない。
戦士がいる村で傭兵事務所とは失敗したなと思う日々を送っていたのである。
近隣の村への用心棒で微かな金をもらい生活していたのだ。

「なんだ、村外れのボロ借家に住みつく、オウガ(鬼、人間の差別用語)のキャプテンジャパンか。いいよなプータローはよ」

「働きたくても仕事がない人間に言うんじゃねェよ。俺が雇用保険がもらえる期間を遊びに使ってんなら言われてもかまわんがな…。マスター、この水缶に飲み水を入れてくれ、どうしても飲み水に関しては、湖の水はダメだな」
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