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第7章 デュラン-番外編

デュランは両手を組んで一気に左右に手を離すと、石田はそのまま眠るように倒れ込んだ。
樹海である環境はエルフにとってホームである。
流石に陸自で経験を積んだ石田も魔法にあらがえずにアウェー。

「ここには、植物があるからスプライト（小さい精霊）が呼び出せるんだ。悪く思うなよ」

スプライトで眠気を誘ったのだ。
前回は頭に血が上り、冷静になれなかった。
剣や肉弾戦では不利であるのにもかかわらずレイピアで突きかかってしまった。
ナーガを生きたまま捉えるという、狩りをやってのけた石田を脅威に感じていたからでもあった。

「ジャスワントはイイ女だ。考えてみれば……命を懸けなきゃオとせない…。学ばせてもらったぜ」
駆けつけた石田に感謝していた。





デュランは弓を構えた。
見張りのゴブリンたちにそれを放った。

「グぇェっ」

気味の悪い悲鳴が起こると、一匹は崩れ落ち、もう一匹はすぐさま叫んだ。
立哨である彼の任務は仲間に《異常あり》を伝えることだ。

「突破ぁぁぁぁぁ！」

遠吠えを上げるような声を洞窟に向かって叫んだ。
すぐに、飛んできた矢が腹部に突き刺ささると地面に倒れ落ちた。

「一匹ずつ…相手をしてやる…無謀と呼ばれてもいい」

デュランは岩陰から飛び出した。
石田をゴブリンの餌食にしない為でもある。

デュランはレイピアを抜き放つと、本来の剣の帯びる銀の輝きを放つことはなかった、
赤茶色に染まるのは毒を塗りこんだためである。

そして間もなく洞穴から数匹のゴブリンが次々と飛び出してきた。
手には剣や斧などの獲物を持っている。
その武器も毒のように赤茶けていた…でも、それは錆びである。

デュランは大型の盾を構えた。
攻撃を盾で受けとめ、レイピアで敵を突き刺す。
盾を装備せず、飛び出てきたゴブリンは防ぐことができずに悶絶をうつ。