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第10章 先生って大変

仕事中も色々考えてしまうが、切り替えなければいけない。

今日の仕事の目標は、達成したため帰宅することにした。

帰り道、昨日晃聖と寄ったスーパーへ買い物に行く。

「水と…。」
買い出しする商品を手に取る。

「あのー…。すみません。」

「はい？」
振り返ると、昨日見た黒髪の女の子がいた。

「あ。こんばんは。えーっと…昨日お会いしましたよね？」

モジモジしながら、うつむき話を始める女の子。

「あの…田辺先生とお付き合いしてるって本当ですか？」

突然の質問に驚く私。

「え…あ、はい。」

「いつからですか？」

質問の答えを考えるのに、必死だった。

「えーっと…。気づいた時には、一緒にいたって感じかな。
　だから、正確な日付とかはわからないかなぁ。
　ところで、田辺の大学の生徒さん？」

「あ…はい…。私！！田辺先生の彼女になりたいんです！
　前に田辺先生に！」　
凄く意気込んで話す彼女に驚いた私は、
「あの！場所変えませんか？！」

「あっ…スミマセン…。」

２人で近くのカフェに行くことにした。

「話しの続きなんですけど…。」

先ほどの続きをしていく彼女。

ゆうこと名乗る彼女は、20歳で、晃聖の心理学を受けているうちに、心引かれてしまい、思いを告げたらしい。
しかし、断られ、酷く傷心しているという話しだ。
准教授との一部分始終を見てしまったと彼女は言う。
その弱みを握っている彼女は、晃聖を脅したが効果は0だったらしい。
私は、少し驚いたが、冷静に話を聞いた。

「あの！怒らないんですか？！田辺先生のこと嫌いにならないんですか？！」

身を乗り出して話す彼女。

「えっと…田辺を信じてるから。」

「…っ！！よくわかりません！他の人としてたんですよ！
　もう、いいです！絶対に別れるようにしますから！
　明日、田辺先生とします！」

「えーっと…。」

そういい残して、彼女は去っていってしまった。

「私…付き合ってない…。」