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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第2章 触覚の虜囚
目が見えぬ
俺の脳裏を イメージが流転する

花の香り
機械じかけの天使
シャープな前髪

天使の 抱擁
抗えない 全身を 攪拌される
泡立つように くすぐられる

天使は仔犬に変化する
羽のはえた 仔犬

転がるようにじゃれ付いてくる
舐めまわしてくる

やがて羽毛は 漆黒に溶ける
白い花弁も 女の顔も なにもかも 
すべてが 闇色に透き通る

人形の無垢な貌が

夢魔の微笑みを浮かべ

俺に 入り込む

ベッドの上

アイマスクを着けたまま、熱を帯びていた。

仰向けに寝た俺の首へ、胸元へ
おびただしいキスのスタンプが押される。

柔らかい二重の肉感が
遠慮なく押し付けられる。

チュッ…チュッ…チュルルッッ……

肌から唇が離れても、舌先は決して離れない。
くるおしく這いまわる。

生身の液で濡らされた肌に
甘く熱く、吐息が吹きつけられる。

女の前髪が ときおり
さらさらと、撫でつけてくる。

女の 悩ましい身じろぎ
眼に見えない仕草も、気配で伝わる。

さらに女の手が、俺の肩を押さえつける。
腹の辺りに、豊かな果実の先端が居座る。

嵐のようなキスが
小さな乳頭に、挑みかかってくる。

「あウウッ……!」

もともと、鋭敏な感覚があるわけでは、ない。
しかし上質なマッサージを施された直後
まして、触覚が磨ぎすまされた状態……
心理的な動揺が、さらに拍車をかける。

思わず、興奮がはじまってしまう。

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