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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第2章 触覚の虜囚
スミカの親指が離れる。
たまらずふうっっと、息をついた。

つちふまずの辺り、母指の側。
そこに、強烈なツボが密集していた。

すぐ2撃目がくる。

(ひいい~!)

俺は、ぷるぷると打ち震えた。
とんでもなく、効く。

ただの苦痛とは、別モノだ。
苦痛を受ければ受けるほど、癒される。

暗い室内で、俺の脳にスパークが走る。

3撃目……

スミカにしては珍しく、いいポイントから外れた。

「ああっちょっと違うよ!
もうちょい……ああっソコ~!」

たまらず、やってしまった。
恥だと思ってるそばから、迎合してしまった。

女の親指から、白い爆発がほとばしる。
足裏からヒザ、脳天に突き抜けていく。

「うああっギブギブ!効く効くう」

もう、意味不明な事を口走ってしまう。

漸く指が離れる。
痛みが抜けると入れ替わりに
足元から爽快感が駆け昇ってくる。

じわーっと、温かみのある爽快感。

俺の鼻腔は膨らみ、上唇は弛緩した。
簡単に言えば、鼻の下がだらしなく伸びた。

生身の刺激による、生身の快感。
すべてを忘れて、身を委ねていた……

身体を丸めていたスミカが
よちよちと左右に揺れた。
体勢を入れ替えた。

ああ……反対側もだ……
俺の足裏は、もうひとつあるのだ……

絶望にも似た、歓喜。
無慈悲な短大生の手が、伸びる。
足の甲をきっちりと、握ってくる。

逆足への1撃目が、来る。
逃れる術はない。

「むはァーッ……!」

もはや俺は、声を出す玩具と化していた。

* * *

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