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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第3章 理と情のはざまで
両掌のオイルは、潤沢に余している。
スミカの両肩を抱くようにして、塗り込む。

上腕、そして肘へと塗り延べる。
若い子らしい、ほっそりとした量感だ。

二の腕をとって、オイルを延ばす。
……この腕で、俺は癒され、翻弄されたのだ。

上体を反らし加減にして、掌、指先へ。
指を絡めあった。

手のプロポーションが、まるで違う。
俺の手指は熊のようだ。
スミカの指は、小鹿の四肢の様だ。

「この手で、あんな力がだせるのか……」

素直に感嘆した。
でも余計な事は口走らないよう、注意はした。
スミカがまた機嫌を損ねるといけない。

十指を根元まで絡め合わせた。
マッサージした。

「ハゥゥ……ッ」

スミカが消え入るような、悲鳴をあげた。

俺の握り拳の下で
スミカの指は、あどけなく開いていた。

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